自公が50議席以上なら過半数
参議院議員選挙の投開票が7月20日におこなわれます。
今回の参院選はいつもの参院選とちがって、政権の枠組みが変わる可能性のある選挙といわれます。
そのワケは??
まずは参院選の仕組みから紐解きましょう!
参議院議員の任期は6年で、3年ごとに半数が選挙で選ばれます。定数は参議院全体で248なので、今回は欠員の補充を含めて125議席が選挙の対象になります。今の日本の政権は自民党と公明党の連立政権です。改選されない参議院の議席は自公あわせて75議席ありますので、自公が全体で過半数をとるには50議席以上が必要になります。

現在の自民党の会派が196議席、公明党が24議席で、与党の合計は220議席です。衆議院の定数は465なので過半数は233議席です。与党は13議席足りません。いわゆる”少数与党”というやつです。
石破政権は、国会では法案ごとに特定の野党と連携して成立させるやり方をとっており、やりくりしながら綱渡りのような状態で国を運営しているんですね。
石破茂首相は今度の参院選では「自公で50議席」を勝敗ラインにしています。
過去4回の参院選ではいずれも自公で70議席以上をとっていて、50議席はたやすい目標と見えます。
しかし、2007年の参院選では自公が46議席しかとれなかったことがありました。
都議選の影響
今回も6月22日投開票の東京都議会議員選挙では127議席のうち自公で40議席しかとれませんでした。自民党の「政治とカネ」の問題や物価高による生活苦が与党への批判につながっているからです。
参院選の前哨戦とされている都議選。結果を見ても参院選では楽な戦いはできないと予想されています。
今回、自公が50以上の議席をとれば、石破首相が交代する可能性は小さいと考えられます。勝敗ラインを上回ったということで、自民党内で石破首相を交代させようとするエネルギーは大きくならないでしょう。この場合は衆議院で少数与党の自公政権が続き、今のようにやりくりしながらの国会運営をしながら、党勢が上向くのを待つということになります。
自民党の危険性
とはいえ自民党にとって唯一の救いは、野党が割れているということです。
特定の政党が圧倒的に強くて、過半数を取るような状況ではないということです。
1989年は社会党が圧勝し、20007年は民主党が圧勝しましたが、今は立憲民主党や国民民主党のどちらかが圧勝するということは恐らくありません。
以上のことから「32分の15」を取れるかどうかは微妙なわけです。
1人区で自民が獲得できる議席は堅く見て10議席。問題はあと5議席をどう上積みできるかどうかです。
少なくとも、国民全体で自民党に1票を入れてやろうというムードは極めて少ないです。
しかし、じゃあ、野党に入れてやろうかという時に、二つに割れた政党で立憲民主党なのか、国民民主党なのかという選択肢があるので、自民党は助かっているということ。
立憲に入れても無駄だと思う有権者が増えたら、国民民主に票が流れる可能性は残っている。
これが現状かもしれませんね。
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